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中東を拠点に国際協力の分野で活動する佐藤真紀のオフィシャル・ブログ コメントはkuroyonmaki@yahoo.co.jpまで


by kuroyonmaki
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日本政府とイラク戦争

米上院、下院で、イラク駐留米軍の戦闘部隊の撤退を10月までに開始し、08年3月末をめどに撤退完了を目指す条項を盛り込んだ補正予算案を可決しました。しかし、ブッシュ大統領は拒否権を発動し、聞く耳を持ちません。戦闘に費やす予算は、アフガンも入れて1000億ドルだそうです。ともかく戦争には無駄なお金がかかってしまいます。しかし、この「テロとの戦い」は、成果は出ずに、イラクでは、テロの数は増えるばかり。なんとも悲しい現状です。一方日本の自衛隊も、2004年1月-06年12月まで 854億円の経費をかけて、その間の自衛隊の行った復興支援は200億円程度。復興には、ほど遠い成果しか出せていません。
 日本は、50億ドルの支援を約束しました。うち15億ドルが無償。35億ドルは円借款です。しかし、日米同盟を強調し、アメリカ追随外交から積極的に戦争を支持しておいて、支援の大半は、お金を貸しますというのもひどい話です。すでに15億ドルの無償支援は終わってしまったとのこと。円借款は、インフラ中心ですから、国民のベーシックなニーズを満たすには程遠い感じ。医療セクターでは、保健省が信頼できるパートナーではないとのことで、円借款の案件も見送られています。イラクのすべてを破壊し、それに変わるものを与えることができなかった国際社会の責任が問われています。
 久間防衛大臣は、国連の決議を待たずに行ったイラク戦争では、「ブッシュ大統領の判断が間違っていた」と発言しました。目からうろこが出るような発言ですが、当然、たたかれます。現在、渡米中。イージス艦の機密漏えい問題などもあり、いろいろ言われるでしょうが、踏ん張ってもらいたいところですね。

劣化ウラン弾の関係で、5月8日は、外務省、防衛省、経済産業省と一気に、交渉をすることになりました。意見申し入れは、ICBUW(ウラン兵器禁止のための国際連合)です。
「国益のために」戦争していい、殺していいという話はないから、最近そもそもの倫理感が問題だと思うんですね。政府は、たいした国益にもなってないくせに、何でも国益のためにと言い逃れします。
 ところで、以下のようなニュースを見ました。こういうのは、いいですね。
がんばれ日本政府!NPTの言うところの核の平和利用は、濃縮ウランばかりに目が向けられますが、搾りかすの劣化ウランをきちんと管理することも平和利用の上では大切なこと。劣化ウラン弾を作るなんてダメです。

漫画「はだしのゲン」で核軍縮を訴えて-。日本政府は30日からウィーンで開催される核拡散防止条約(NPT)運用検討会議第1回準備委員会で、広島の原爆被害を描いた漫画「はだしのゲン」の英訳版を加盟国に配布する。世界で人気の高い日本の漫画などソフトパワーを活用し、各国の代表や若者たちに原爆の悲惨さや核軍縮・不拡散の必要性を伝えるのが狙いだ。
 日本政府は同委員会で、原爆投下前の被爆地の街並みを再現したCG(コンピューターグラフィックス)も上映。平和・軍縮をテーマにしたマンガ・コンテストの開催や、核保有国を含む各国の学生を日本に招聘(しょうへい)し、日本の学生との討論会を開くアイデアも提案する。 
by kuroyonmaki | 2007-04-30 13:54 | 日本でのイベント