中東を拠点に国際協力の分野で活動する佐藤真紀のオフィシャル・ブログ コメントはkuroyonmaki@yahoo.co.jpまで


by kuroyonmaki
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イブラヒム父さんが帰ってきた 2005年の記憶。

イブラヒム父さんが戻ってきた

 2月15日、私たちは日本のドクターたちと一緒に国境にいた。
もしかしたらイブラヒム父さんが、国境を越えてヨルダンに帰ってくるかもしれなかった。ついこの間まで、国民議会選挙の結果が出るまで国境を封鎖していたが、また17日から国境を閉じるというのでイブラヒム父さんが、戻ってこれるのは今日明日しかない。
 16日、朝ヨルダンの携帯電話がつながった。イブラヒム父さんがヨルダンに戻っていたのだ。
早速、ファートマが預けられているフセインさんの家で待ち合わせた。
ちょうど、ファートマはイブラヒム父さんと親子水入らずで遊園地に行っているという。
フセインさんの奥さんは、「ファートマは、ちょうど彼女のお母さんが死ぬ一週間前にレストランで会いました。そのときは、恥ずかしそうにお母さんに隠れていたんですよ。でも彼女が死んでから私にも抱きついてきてママと呼ぶようになったんです。でも、この間写真を見つけて、ママに会いたいというので、病院は子供が行っちゃいけないんだといいました」
ファートマは、夜はよくマットレスをかじるようだ。
「スポンジが散らばっているんですよ」
しばらくすると、イブラヒム父さんに連れられてファートマが帰ってきた。
ずいぶんと落ち着きを取り戻している。
これで、安心して、ファートマと双子の赤ちゃんもバスラに帰れる。
ブンジローも喜んでしまって、地べたに座り込んでファートマの写真を撮っていた。
しばらくすると、今度はフセインさんが帰ってきた。あれだけなついていたのに、今度はファートマがそっぽを向く。ちょっとさびしそうなフセインさんだった。

ファートマがやってくる。
 
ところが、イブラヒム父さん、住むところがない。まだ、国境は22日までしまっているが、ホテルにいると高くつく。
それじゃあ、しばらくうちに来ないかということになった。
井下おやじの住まいは3ベッドルームで、私も転がり込んだがあと一部屋あいている。
「それはありがたい」と親子がやってくることになった。
その話を、TVの取材に来ているI子さんに話した。
「えっ、おやじばかりで住んでいるんでしょ。ファートマの着替えとかどうするのよ。ブンジローもいるの」
「井下おやじはお医者さんだし、私もおやじではあるが、まもなくシリアに行くし、ブンジローおやじは別のところに住んでいるわけで、(マイケルジャクソンじゃあるまいし)ファーティマは3歳だよ。イブラヒム父さんが全部面倒を見るに決まっているじゃないか」
「それならいいけど」
なんだか、変態おやじみたいに思われているのはちと悲しい。


さていよいよイブラヒム父さんとファーティマがやってきた。
井下おやじも喜んで、ビデオを待ち構えている。ファートマが遊ぶようにと木魚や、かねを置いておいた。早速ファーティマはリズムを取って大はしゃぎ。井下おやじの尺八を取って吹き始めた??
「一番弟子にしましょうか」
ところが部屋があまりにも寒いので、結局ファーティマは、また、フセイン一家に預けられてしまった。

おやじ3人でいてもわびしいので、11ヶ月になる双子のカディージャとムハンマッドを見に行くことにした。2ヶ月たってまた大きくなったという感じ。
赤ちゃんたちをあやしているとなんとなく、ぷーんとくさいにおいがする。
これは、ウンチかなと思ったが気のせいだった。
男ばかり3人で暮らしているのを哀れに思ったのか、晩御飯を持たせてくれた。ここのところ外食か、どうしてもファーストフードになってしまいどうしたものかと思っていたのでありがたい。家に帰ってなべを開けてみると「マンサフ」という家庭料理。羊肉をこってりとヨーグルトで煮込んである、まさにスローフード。ところがこれがくっさい。ウンチかと思ったのはこのにおいだ。私は食べる前からうっとなってしまったので、昼間買っておいたカップラーメンを食べることにした。イブラヒム父さんは、「どうして食べないんだ。おいしいぞ」という。井下おやじは少し食べた。結局のこりは明日、ブンジローに食べてもらうことになった。ブンジローは、日本人には珍しくマンサフが好物なのだ。

私はそれでシリアに行ってしまったのだが、国境が開くとイブラヒム一家もイラクに帰ってしまうので、お別れを言うためにも3日で帰ってきた。
ところが、イブラヒム父さんなかなか帰る気がないようだ。ファートマもあちこち泊まり歩いているようだ。イブラヒム父さんと井下おやじと私の3人の生活が始まった。
ところが、まだ、マンサフが残っている。
ブンジローが、翌日やってきたと井下おやじが言っていたので、てっきりマンサフを食いに来たのかと思ったが、中華料理を食いに行ったという。一応冷蔵庫に入れてあるのだがこれを処分するのが怖い。数日後イブラヒムおやじが、マンサフを食おうとしていたので、さすがにやめたほうがいいよといった。結局マンサフはイブラヒム父さんが処分してくれた。
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by kuroyonmaki | 2015-07-29 03:03