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中東を拠点に国際協力の分野で活動する佐藤真紀のオフィシャル・ブログ コメントはkuroyonmaki@yahoo.co.jpまで


by kuroyonmaki
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冬支度

今年度の7月からアルビルでも患者の経済支援を開始しました。
クルド地区の遠方から来ている患者や、中央イラクから治療に来ている患者や、シリアから治療に来る子どもたちもいます。
一か月の予算は、約1000ドルで、10人程度の患者という内訳になります。
お金の支援は、不公平感が出ないように特別な配慮が必要です。同時に、小児がんの子どもと家族には特別な配慮をしてあげないと、生き死に繋がります。
経済支援といっても、病院にない薬をかったり交通費の補助になります。3か月たったので、支援の評価をすることになりました。
今年のチョコのパッケージに使われたアカベコをかいてくれたイマーンちゃん8歳は、ソーランというところに住んでいます。金曜日、土曜日と週末のために、イマーンちゃんは、自宅に帰って、また月曜日に病院に来ることになりました。
アルビルから直線距離で70kmほどですが曲がりくねった山道を行くために、3時間くらいかかります。
一家は、もともとモスルに住んでいたので、アラビア語が堪能です。2004年に、モスルの治安が悪化したために、避難してきて、お父さんはクルド自治政府軍で、電気関係のメンテをしています。
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ソーランに到着するとイマーンちゃんが出迎えてくれます。お父さんの車で先導してくれます。
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家の前はこんな感じで、険しい山が。
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イマーンちゃんが助かる方法は、骨髄移植しかありません。
お父さんは、「家も、車も売る。足らない部分を支援してほしい」と言います。
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ローカルスタッフのシーランは、「なんで、JIM-NETは、支援しないんだ」
というので、「骨髄移植は、イラクでは出来なくて、海外だと1000万円くらいはかかってしまう。骨髄移植したら必ず助かるかというとそれは難しい。」一人が、たくさんの負担をしょい込むのではなくて、皆で負担や責任を分担することが必要です。ヨルダンのキングフセインがんセンターでは、王室が中心になってイラクの子どもたちの為にもお金集めもしています。JIM-NETも日本を代表して毎年100万円づつの寄付をしており、もし、ヨルダンが受け入れてくれるなら、可能性もあります。そんな相談をしているとランチタイムになりました。
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イマーンの家族がごはんをごちそうしてくれます。
イマーンは、「今日は、ドルマとかクッバをお母ちゃんがみんなのために作ってくれているよ」とメニューを紹介してくれます。本当に、おいしいイラクの家庭料理。
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イマーンちゃんは食後の投薬。
がんとの闘いは厳しい冬を迎えます。

10月25日 ソーランにて 佐藤
by kuroyonmaki | 2013-10-27 00:01 | アルビル日記