中東を拠点に国際協力の分野で活動する佐藤真紀のオフィシャル・ブログ コメントはkuroyonmaki@yahoo.co.jpまで


by kuroyonmaki
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難民が選んだ土地

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 5月19日、アルビルのカワ難民キャンプを訪問。
彼らは、イラン系クルド難民。イランで暮らしていたが、
いろんなバックグラウンドがあり、イラクにやってきて、アンバール州の難民キャンプに収容されていたが、サダム政権が崩壊した後、キャンプも崩壊してしまった。UNが新しく作ったのは、アルビルで、キャンプというよりは戸建の集合住宅にちかい。
今日お邪魔した家族は、イラクとイランの国境付近の村に住んでいたが、イラン・イラク戦争時に、イラク軍が侵攻し、イラク国内に捕虜のような形で連れて行かれたという。
サダム政権崩壊直後に、ヨルダン国境に避難するが、ヨルダンに入国できず、ノーマンズランドに立ち往生。らちがあかないので、一旦アンバールに戻り、国連の指示に従って、カワキャンプに来たとのこと。
ノーマンズランドに残り、そのままアルワリード難民キャンプに収容されているのは、彼らの親戚である。
UNが、2家族が暮らせるように家を建ててくれた。
現在は鶏を飼っており、売買することで収入を得ている。一日の収入は20-30ドル。
働くことは、自立への一歩だ。難民だということで、いつまでも支援を与えるのは彼らをスポイルしてしまう。
だから僕は、食糧支援などは早めに切り上げて、自立のための支援に切り替えていくべきだと思う。
職業訓練と抱き合わせで、彼らとビジネスをやっていくというのもひとつの方法だし、社会起業というのが活躍する場所でもあるのだろう。JICAなんかがその辺がとくいな分野だが、イラクでは、危険だからということで今までは、活動していなかった。その辺がアメリカとの違いかもしれない。USAIDは、IMCといった大きなNGOへ資金を提供し、戦争直後から開発プログラムをやっている。日本だと、自衛隊とかがそういうところに入ってきてややこしくなるのだが、IMCは、軍とは行動をともにしないということで、政府のお金をもらいながらも、自分たちのポリシーを貫いているのだ。USAIDの代表は、NGOはアメリカ政府の外交政策に従うべきものであると、かつて断言した事があったにもかかわらずだ。最近、JICAが活発にイラクにかかわている。僕が滞在していた間にも農業関係者のミッションがきていた。納税者として言わせてもらえば、事業仕分けにもめげずに頑張ってほしいなあと思うのである。

さて話を戻すと、イラン系クルド難民。アルビルは、安全を売りにしており、雇用の機会もあるほうだ。でも、彼らは、満足はしていない。
「親戚がスウェーデンにいるんだ。みんな、お店を経営していたりして、結構稼いでいる。僕たちは、スウェーデンに行きたい。子ども達のことを考えたら、ヨーロッパで成功して欲しいんだ。」
カワキャンプは、治安はよく、ここでは、彼らの命が狙われることはない。ここを出たいという理由は、向上心だろう。そうなってくると難民というよりは、移住労働者ということになるが、彼らは、難民だからパスポートがない。今のところ、旅行であろうが、イラクを出ることはできないのだ。
同行したローカルスタッフのパレスチナ人は、「バグダッドより、くらしやすそうだし、住めるんなら住みたいよ」
といっていた.
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by kuroyonmaki | 2010-05-27 05:00