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中東を拠点に国際協力の分野で活動する佐藤真紀のオフィシャル・ブログ コメントはkuroyonmaki@yahoo.co.jpまで


by kuroyonmaki
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ペシュメルガ

ドホークのホテルに泊まっていたら、ロビーにペシュメルガの兵士がいたので話かけてみた。休暇を取って前線から離れて、ホテルでリラックスしているそうだ。携帯電話には、「イスラム国」の兵士を殺した写真とか、遺体を得意げに、足蹴にしてる写真とがが入っていた。何人殺したの?と聞いたら5人という。いつもこのホテルに泊まっているので、子どもがなついている。男の子は、お母さんが歌手でホテルに住み込みで働いているらしい。
お父さんは離婚したので、なおさら強い男に甘えたいのだろうか?
兵士は、「散髪に行く」と言って外へ出て行った。
その夜、部屋で寝ようとしていると、キャプテンが呼んでいるというので、部屋に行くと、兵士らが酒を飲んでいた。キャプテンは、350人の部隊を率いている。
「ペシュメルガは、戦争をしているのではない。国を守っているのだ。そして世界の平和を守っているのだ。我々が戦わないと日本も「イスラム国」にやられてしまう」
ふむふむ。
「君たちがやっている支援活動と同じなんだ」
ふむふむ。
「ところで、わが軍には100名のボランティア兵がいる。残念なことに、わが軍には装備もないので、靴を寄付してくれないだろうか」
と真顔で相談された。
「いや、そういう話は、もっと上のところでしてもらわないと。。」とお茶を濁す。
モスルから電話。
アラビア語で、「もう疲れた」というような泣き言が聞こえる。
兵士たちの話では、後2週間くらいでモスルを奪還するらしい。
ペシュメルガは、1200人くらいが殺されたそうだ。実はこの数はすごい。一年もたってないもの。米兵は、5年くらいで4000人
キャプテンは目がとろんとして、「ちょっと休んでくる」と言って部屋に入っていった。
明日、また前線に戻るそうだ。
# by kuroyonmaki | 2015-04-09 13:52

希望の足作戦

JIM-NETが2013年から始めたのが「希望の足」ヨルダンでは、戦争で怪我をした人たちがたくさん障害者になっている。そういう人たちの足となってポンコツの車を動かし、体を張って病院や、リハビリセンターに送り迎えをしていたのが、イマッドさんだ。
 今回は、ヨルダンで少しだけ時間があったので、イマッドさんの活動に同行した。
朝、アンマンの飛行場まで迎えに来てもらった。イマッドさんにホテルに連れて行ってもらうようにお願いした。
12時間くらいしかアンマンに滞在する時間がなかったので、一応ホテルで、仮眠しようかと思っていたが、イマッドさんは、いろいろ患者さんの話を始めた。「癌の子どもがいるんだけど」「父親が刑務所に入れられた子どもは足を切断して。。。」そして、気が付くと、ホテルではなくイマッドさんの家に連れて行かれた。
仮眠している場合じゃない。イマッドさんは朝ごはんを食べさせてくれて、さあこれから一仕事だという。
病院にいる患者から電話が入り、ラムサに運ぶという。
 病院につくと3歳のかわいらしい女の子がお父さんに抱きかかえられて車に乗ってきた。そしてもう一人は、やけどをしたおじさんだった。
スェーダンさんは、たる爆弾で大やけどをした。上半身はケロイドだらけで4回皮膚の移植をした。そして、病院でリハビリを続けている。週末は家族が待つラムサに帰る。
彼は、爆撃に会い意識が戻るのは5日後だった。何が起こったのか全く覚えていないという。

 春の日差しが心地よい。沙漠だった丘にも草や花が咲き乱れている。
数日前から、ヨルダンとシリアの国境が完全に閉鎖されてしまったので、途中シリアに帰るトラックが立ち往生していた。

 もう一人のお客さんはドアちゃん。3才と4か月だ。気持ちよさそうに車の中では寝ていた。

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こんなに小さな義足を作ってもらった。でも骨が成長して、近く骨を削り取る手術をすることに。



# by kuroyonmaki | 2015-04-04 03:49 | シリア

革命戦士の妊婦



ヨルダンのアーキラ病院には、最近怪我で運ばれてくる患者が増えている。
ベッドに寝ている女性は、兵士に殴られ脊椎を損傷したのか全く体を動かすことができない。意識ははっきりしているが、かすれた声を絞り出すようにしてせて梅井してくれた。
ダマスカスの郊外、ハラスタで平和に暮らしていた。しかし、政府への抗議行動に参加するようになる。最初に秘密警察に逮捕されたときは38日間の拘留だった。友人がお金を払って解放された。
2回目はカティーブの刑務所に28日間拘留された。
3回目は、政府軍に暴行を受け銃で殴られた。背骨がおれて、倒れこみ、兵隊も彼女が死んだものだとおもって置き去りした。その後通りかかった友人が彼女を助けたが、何も知らずに、地元の公立病院に連れて行った。病院は秘密警察に通報し、警察がやってきた。病院で逮捕されるが、その時彼女は妊娠8か月だったので、帝王切開で男の子を出産した。
50日間病院にいたが、警察の目を盗んで外に連れ出し、ヨルダンに逃げてきたのが昨年の12月18日だという。
5人の子どもがいる。子どもたちは彼女の母が、レバノン国境に近いマタヤという場所で避難し育てているという。
彼女は、まだ27歳だが、野戦病院の活動や、反政府活動のリーダーを担うようになった行ったという。
「家族より、シリアのために戦う」という。
何が、彼女を突き動かしたのか。
「ハムザ・ハーティブ」という名前を彼女は言った。

2011年4月29日、ダラアでデモに参加していたハーティブ君13歳がつかまり、拷問を受けて殺されたという事件。
5月下旬、家族の元に戻ってきた遺体は、顔が膨れあがってあごや膝は砕け、
体には無数の切り傷や銃創もあった。ペニスが切断されていたというがアサド政権は、既に、彼はデモ参加時に撃たれ、身元が分からず警察で遺体を保管している間に腐っていったという説明をしている。
彼女は、このニュースを聞き、体の中に熱い怒りが込み上げてきたという。
# by kuroyonmaki | 2014-04-04 01:01 | シリア回顧録
アルビルでは気が付くとクリスマス。
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アルビルのショッピングモールではこのようにクリスマスの飾りつけがにぎやかになっています。そういえばすっかりと忘れていました。毎年JIM-NETではサンタクロースが、ナナカリー病院を訪問して子どもたちにプレゼントを配ることになっています。そこで、さっそく病院に相談したところ、キリスト教関係のチャリティ団体がプレゼントを配りに来るとのこと。そこで、せめてケーキでも買っていこうということになりました。
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アンカワにあるケーキ屋さんで頼んでおいたケーキを取りに行きます。この日はシリア難民の学生アルバイトのM君が30分遅刻。聞くと道に迷ったそうです。彼は根っからの方向音痴。まあ、高校を卒業したばかりで、シリア内戦のために大学に行けなくなったので、アルビルに避難してきた。社会経験があまりないので、ちょっとどんくさい。でも、いいやつです。頼んでおいたケーキは、いろいろ注文を付けておいたのでできるのが楽しみ。しかし、M君は少しどんくさいので、べっちゃっと落さないように気を付けないと。
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病院からは宗教的にならないようにとの注文がありましたので、文字もメリークリスマスではなく、毎年がいい年でありますように!
「クル・アーム・アントン・ビヘイル」というお祝いの言葉を入れてもらいました。ところがケーキ屋から出てくるといきなり、カラシニコフを担いだクルド軍のミリタリーポリスに呼び止められました。カメラをチェックするというのです。そこはアメリカ領事館があるらしく、装甲車がとまっていますが、セキュリティの為か星条旗は上がっていません。
「なんで?お店の中でカメラを回していただけで決して領事館の方は写してませんよ」といってその場で写した中身を見せるが、「上がチェックするので待ってなさい」といってビデオを持って行かれた。「じゃあ、その上のアメリカ人に合わせなさい!ここは、クルドなんだから、なんでアメリカ人がそこまでする権利があるんですか?領事館の中ならともかく、ケーキの写真撮ってなんでアメリカにビデオをチェックされなきゃいけないのか。勝手に大事な写真を消されでもこまるから、立ち会わせなさい」
「まあまあまあ、5分で終わりますから」とポリスが言っているうちに、「5分立ちましたよね。がんの子どもたちが待っているんですよ」というが、「あと2分待ちなさい。アンタの言っていることももっともだが、私たちには命令に従うだけです」と言っているうちに2分が過ぎた。そのうちに、太っちょのアメリカ人が出てきて、「ここは、あちこちにスナイパーが配備されているんですよ。スナイパーが写っていないかチェックさせてもらいました」。言われてみると、あちこちの屋根にスナイパーがいる!ともかく、ビデオを返してもらいあわててナナカリ―病院に向かいました。途中車の中で「ケーキは?」M君、「トランクに積みましたよ」「おいおい、急ブレーキかけたらテントウムシがつぶれるでしょうが」途中で車泊めて、トランクからケーキを持ってくるとふたが開いていましたが中は無事。よかった。「ケーキはこうやって膝に抱えて持つんだよ」と教える。病院に到着。学生アルバイトのM君がビビりながらケーキを運んだおかげで、箱を空けるとテントウムシが2匹完全に落ちていました。ありゃ!看護師のホーシングさんが、大丈夫!といってフォークで持ち上げて元に戻すも顔はつぶれ折角のケーキが台無しに!
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それでも、皆でおいしくケーキをいただきました。
# by kuroyonmaki | 2013-12-26 05:59 | イラク情報
チョコ募金の受付が始まりました。
12月1日は、いつも袋詰め作業をお願いしている登戸の障がい者福祉作業所の「はなみずき」にブースを出させていただきました。P1190525

この日は「KFJ多摩祭り」一般に開放してのお祭りです。
所長の風間さんは、「袋詰め作業は知的障害の利用者にとって生きがいになっています。来年も是非続けてほしい」とお願いされました。右が風間所長。
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いつも作業している利用者さんの一人は、チョコ募金4セットしてくださって、「そんなに有名なの?」と何度も繰り返して大喜びでした。また、別の方は500円コインを握りしめて、JIM-NETのコーナにやってきて、付き添いのボランティアさんからは「無理しないでいいのよ」と何度も言われるのをよそに、「家族の絆」(黒いパッケージ)を選んでくれました。
この日は、110個のチョコ募金で、合計55000円を達成。
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サブリーンの絵も会場に飾らせてもらい、来場者を元気づけていました。
今年は、少し出遅れてしまったチョコ募金。責任者の斉藤も元気いっぱいチョコ募金を呼び掛けておりました。
はなみずき

普段はチョコ作業をしてくださっている利用者の皆さんです。
2009年からはなみずきさんと一緒に仕事をするようになり、最近では、作業してくれる障がい者の皆さんも元気になるようなデザインを心がけています。イラクの子どもたちの絵にはそんなパワフルな力があります。

チョコ募金の申し込みはこちらから
http://www.jim-net.net/choco/
# by kuroyonmaki | 2013-12-02 16:42 | 007限りなき義理の愛大作戦