中東を拠点に国際協力の分野で活動する佐藤真紀のオフィシャル・ブログ コメントはkuroyonmaki@yahoo.co.jpまで


by kuroyonmaki
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2011年 06月 26日 ( 1 )

イラクと日本
 311の震災後多くのイラク人が、心配の声をかけてくれた。
震災が起きた日、イラクから電話やメールが届く。「みんな大丈夫ですか」という安否確認がほとんどだったが、支援を申し出るメールもその後届いた。
「イラクにいる私たちすべては、日本で起きたことに深い悲しみを感じ、皆様の安全と、回復を心から祈っています。バスラ医師会として、もし必要ならば、医療チームを派遣する用意があることを、喜んでお伝えします」アサド医師。
バグダッドからも、マーゼン医師は、「一か月分の薬の支援はいらない。周りに声をかけてバグダッドで調達するから」と言ってくれた。
 イラクの子どもたちも、心配してくれた。
イブラヒムさんの3人の子ども達は、毎日もらっているお小遣いから少しずつお金をためて、募金として届けてくれたのである。お菓子やジュースを我慢した子ども達の心境はいかに。
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バグダッドでは、国立交響楽団の主席指揮者であるカリームワスフィ氏が、日本の為にチャリティコンサートを開くことを申し出てくれた。彼は、「平和のための音楽プロジェクト」の一環として青少年オーケストラを運営している。このオーケストラのメンバーであるスハッド〈18歳〉は、イラク戦争前からの知りあいだ。彼女の吹くオーボエは、日本からのプレゼントである。「このコンサートは、私たちからのプレゼントです。イラクが日本から助けてもらったように、私たちにも何か助けになりたい。日本人からいただいた楽器で、日本の為に演奏できるのはとても嬉しいです」と言っていた。
 4月23日、会場には250人くらいの人たちが訪れた。会場においておいた募金箱には、4万円ほどが集まっていた。
子ども達は、日本の為に「上を向いて歩こう」を演奏。
その模様は、共同通信の配信や、NHKニュースで放映。また、石巻災害FMでも流れ、被災者の耳にも届いた。
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イラク大使館が動く。

5月13日イラク大使館からバンダル書記官と2名のイラク人留学生が被災地を訪問。
門脇小学校を表敬訪問した。お土産として、イラクのガンの少女サブリーンが生前に描いた絵とアラビア語でバンダル書記官が「希望」と書いた文字をプリントした日本手ぬぐいを作りもって行った。門脇小学校は、燃えた家が流されてきて校舎にぶつかったために、炎上してしまった。現在は、門脇中学校の教室を借りて授業を行なっている。
学校の一階が中学校、2階には、避難者が暮らし、3階を小学校が借りている。4階には、避難者が暮らすという混乱した状態だ。学校を4月20日から再開するため、先生たちは必死でがんばり、つかれきっていた。ある先生は、「地域学習で自分達の町の地図を作らなければいけない。こんな風になってしまった町をどうやって地図にすればいいのか」頭を抱えていた。私たちが行くと、佐々木校長先生が、全学年を案内してくれる。教室がないので、2クラスを1教室で授業する。各教室に先生が2人いることになる。
 校長先生は、日本手ぬぐいを子どもたちに見せて、「イラクの子どもが描いてくれた絵です。」サブリーンの絵は、200%の「こんにちは!」で微笑みかけている。かつて、僕たちが始めてこの絵を見たときどんどん吸い込まれていった。坂本龍一氏も吸い込まれて、パソコンのディスクトップに使っていた。石巻の子ども達も、引き込まれた。
そして、佐々木先生は、「この文字はなんて書いてあるかわかるかなあ」と子どもたちにクイズをだす。子ども達は、「がんばれ?」「勇気?」と元気に答える。
5年生のクラスでは、「お礼に歌をプレゼントしよう」と誰かが言い、みんなで「ビリーブ」を歌ってくれた。
佐々木先生は、「子ども達は元気ですね。今は、問題はないようですが、専門家の話では、2年後くらいにいろんな症状が出てくるそうです。」
「未来を信じたいですね。やっぱり人は一人で生きていけない。支えあって生きていくのが人間だと、ありがたいなあと感じました。命も大事だし、いただいた希望も大事ですね。」
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写真3募金を届ける
 石巻市の最東北にあたる相川小学校。北上川の下流にあたる。ここは、小さな漁村。しかし津波で流された。三階建ての小学校は完全に津波に飲まれてしまった。北上川を少し入ったところにある浜吉小学校も流された。現在は、橋浦小学校で、統合授業を行なっている。イラクで集められた募金は、この小学校に持っていった。
担当の佐々木真理先生から6月20日メールが入る。
「寄付していただいたお金で、相川小全児童分の紅白帽を購入させていただきました。
おかげさまで、その帽子をかぶり運動会を無事に終えることができました。」
間もなく、子ども達の姿を写真で送ってくれるそうなので楽しみだ。
小さな絆がイラクと石巻でつながりつつある。
 
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阿部校長先生と佐々木先生
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by kuroyonmaki | 2011-06-26 21:07