中東を拠点に国際協力の分野で活動する佐藤真紀のオフィシャル・ブログ コメントはkuroyonmaki@yahoo.co.jpまで


by kuroyonmaki
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アヤちゃんの遺族を訪問(2)

アヤちゃんのおとうさんは、闘病中のアヤちゃんの傍ら、近寄りがたい雰囲気があったが、今日始めて家に行くと、とても明るく迎えてくれた。ぼろぼろになったチョコのパッケージを大切に、彼女の写真と一緒にファイルしてあった。札幌の1000ピースという団体が作ってくれた彼女の絵を写したキルトも大切にとってある。
彼女とは絵を介して出会った。2009年のチョコ募金のテーマは、イラク観光。バグダッドの病院のターリク医師にお願いして、バグダッドのガンの子どもにも絵を描いてもらい送ってもらった。その中にアヤのスケッチブックがあて、これが圧倒的に面白い、ターリクに聞くとヨルダンで治療しているとのこと。今のように、まだバグダッドには僕も入れてなかったので、これはいいと会いに行った。ところが、アヤは、最初の診断が誤っていて、バグダッドでおなかを切ったところ既に手遅れでどうしようもなく、腫瘍を摘出することすらできず、そのまま、もとに戻した。バグダッドに望みを捨てた父親は、借金をしてヨルダンのキングフセインセンターに駆け込んだ。しかし、お金がそこをついてしまったので、イラクに戻るという。そこで、JIM-NETで治療費の一部を支援することになった。2010年の夏には、アルビルでサマーキャンプを開き、みんなでチョコのデザインを考えようという企画。アヤの体力は、サマーキャンプに耐えられるだろうか?バスラ、サマワ、からも、合計4人の絵がうまいガンの子ども達が集まった。アヤはどんどん絵がうまくなっていて、僕が出す課題にも、てきぱきと応えてくれた。相手が何を求めているのか一生懸命考えてくれるので、仕事はやりやすかった。
しかし、キャンプから2ヵ月後。亡くなった。死ぬ2日前の写真は、もう苦しみも乗り越えたかのように穏やかな顔をしていた。「私は一人で死ぬのはいや。みんな、一緒に来て欲しい」と泣いたそうだ。
最後に書いた絵があるんですといって見せてくれたスケッチブックには、サマーキャンプの最終日にみんなで行った滝の絵が描かれており、よほど楽しかったようだ。
「アヤは、本当に楽しかったみたいですよ。ずっと、ピクニックの話をしていました。」
そして、スケッチブックには、自転車に乗った子どもの絵が描いてあった。
最初、ワークショップでみんなで絵を描こうとしているときにアヤがあまり元気がなかったので、僕のipodに入っていた2歳の息子が三輪車に乗っている写真を見せて、アヤちゃんに描いてもらった。アラブの国では家族が大切だ。家族の写真を見せて盛り上がるのだ。アヤが描いてくれたムスコの肖像画は宝物になった。
バグダッドに戻ってからも、ムスコを思い出して絵を描いてくれた。
悲しいことに、bye-bye Makiとそえてある。
それから、体調が悪化し、最後の絵となってしまった。ありがとうアヤちゃん。
いいままで、まとまった形でアヤちゃんの絵を紹介する事がなかったけど、きちんとまとめなくてはいけないと思った。
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ムスコの絵
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この絵が2010年のサマーキャンプで描いてくれたムスコの絵
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by kuroyonmaki | 2012-05-12 12:38